神戸で外構業者に頼む前に|高低差・擁壁・ブロック塀助成の確認点

外構業者と現地調査を行う様子のイラスト

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神戸で外構工事を頼む前に、敷地の条件として確認しておきたいことをまとめた記事です。私は株式会社勝真建設工業で外構・足場工事の現場に携わり、自宅を建てた施主でもあります。

業者の選び方や見積書の比べ方は、神戸でもほかの地域でも基準は変わりません。この記事ではそこは別の記事に任せて、坂道や段差のある敷地が多い神戸で特に確認しておきたい「高低差」「がけと擁壁」「ブロック塀」と、それに関わる神戸市の制度に絞って書きます。

土間コンクリートで仕上げた新築の駐車場(神戸の施工事例)
目次

神戸の外構費用は、面積だけでなく高低差でも変わる

神戸市は市街地のすぐ北側に六甲山系の斜面があり、坂道に面した敷地や、道路・隣地との間に段差がある敷地が珍しくありません。高低差がある敷地では、土を掘る・盛る・止めるための工事が加わるため、同じ面積でも見積金額が大きく変わることがあります。

道路より高い敷地、道路より低い敷地、隣地と段差がある敷地で確認することの違いを示す概念図。高い敷地は掘る量・残土・土留め、低い敷地は雨水の流れと排水計画、隣地と段差がある敷地は擁壁の所有者と工事範囲
同じ面積でも、敷地の高低差によって必要な工事が変わります(概念図)
敷地の状態見積書に加わりやすい項目現地調査で聞いておきたいこと
道路より敷地が高い掘削、残土の運搬・処分、階段、土留め駐車場の高さまでどのくらい掘るか。残土の量をどう見込んでいるか
道路より敷地が低い盛土・埋め戻し、排水の設備道路側から入ってくる雨水をどこへ流す計画か
隣地との間に段差がある土留め、擁壁の新設・補修段差を支えている擁壁やブロックは誰のものか。工事で手を入れるか
前面道路が狭い・坂がきつい小運搬、交通誘導員(ガードマン)、道路使用許可の申請作業車をどこに止めるか。ガードマンや道路使用許可が必要か

表は項目の例で、すべての現場で必要になるわけではありません。どの項目が入り、いくらになるかは現地を見ないと決まらないので、面積あたりの単価だけで比べないようにしてください。

高低差のある敷地では、掘ってみると残土が思ったより多く出る場合もあります。私が携わっている現場では、そうならないように、仕上がりの高さと掘る範囲から残土の量をあらかじめ計算しておきます。見積書に残土の数量が書かれているか、どの高さまで掘る前提で計算したかを聞いておくと、あとから追加費用になりにくくなります。

道が狭い・坂がきつい敷地は、工事そのものより前の段取りが増えます。私が携わっている現場では、作業車に輪止めをして安全を確保し、道が狭いところはガードマンを手配します。通る人や車に迂回してもらうときは、バリケードなども置きます。道路に作業車を止めて作業する場合は道路の使用許可を取ってから進め、その段取りは工事の1週間前くらいから始めます。

そのため、道の狭い敷地で工事日を前倒ししたいときは、許可やガードマンの段取りが間に合うかを先に確認してください。

こうした費用は、見積書に「交通誘導員」「警備費」「申請費」のような項目で出ることもあれば、諸経費にまとめられていることもあります。道の狭い敷地で見積書にそれらしい項目が見当たらない場合は、どこに含まれているかを聞いておくと、あとから追加になるのを防ぎやすくなります。

駐車場の出入りで高低差が問題になりやすい点は新築外構の駐車場が使いにくい7つの原因に、残土や搬入条件で追加費用が出る仕組みは外構工事の追加費用はなぜ発生する?にまとめています。

高低差のある敷地は「がけ」と擁壁を先に確認する

神戸市には「がけ条例」がある

神戸市では、高さ1mを超え、角度が30度を超える「がけ」の近くに建物を計画する場合、がけ条例の対象になるかを確認します(神戸市建築物の安全性の確保等に関する条例 第20条)。対象になるかどうかや必要な安全措置は、がけと建物の位置関係などによって変わり、建物の確認申請の中で審査されます。

新築の外構は、建物の審査が済んだあとに計画することが多い工事です。外構工事で土を削る、盛る、擁壁を作り替えるといった計画があるときは、建物の設計時の前提を変えないかを、施工会社と建物の設計者の両方に確認しておくと安心です。外構で地盤の高さや擁壁を変える場合は、建物の設計者にも計画を見てもらってください。

神戸市は全域が盛土規制法の規制区域

神戸市は2024年4月1日から、市域全域を盛土規制法の「宅地造成等工事規制区域」にしています。神戸市の資料では、盛土で高さ1mを超えるがけが生じる工事や、切土で高さ2mを超えるがけが生じる工事などは許可が必要とされています。また、高さ2mを超える擁壁の全部または一部を取り壊す工事は、原則として着工の14日前までに届け出る必要があります。許可が必要な工事の場合などは扱いが異なるので、個別に確認してください。

駐車場や庭の工事がすべて該当するわけではありませんが、敷地の高さを大きく変える計画や、古い擁壁を撤去する計画があるときは、許可や届出が必要かを施工会社に確認してもらってください。許可申請の窓口は、申請する土地の面積で分かれます。500㎡以下は土地のある区を所管する建設事務所、500㎡を超える場合は建設局森林・防災部防災課です(2025年4月1日から)。ここでいう面積は、切土・盛土をする部分の面積ではなく、申請する土地の面積です。宅地造成・特定盛土等に関する届出は、面積に関係なく防災課が窓口です。

既存の擁壁をそのまま使うなら、状態を見ておく

神戸市の「斜面地に建築する場合のQ&A」では、既存の擁壁について、造成の履歴、外見、断面、水抜き穴の状況などを調べて判断することが示されています。造成の履歴は市の窓口で調べられ、擁壁の危険度を確認する方法として国土交通省の「我が家の擁壁チェックシート」も紹介されています。

外構で擁壁の近くを工事するときは、次の点を見ておくと相談しやすくなります。

  • ひび割れ、ふくらみ、傾きがないか
  • 水抜き穴が土や草でふさがっていないか
  • 擁壁の上にフェンスの基礎を入れる、擁壁のすぐ上に車を停めるなど、擁壁に重さがかかる計画になっていないか
  • 擁壁の図面や検査の記録が残っているか

気になる点があるときは、外構業者の判断だけで進めず、建物の設計者や市の窓口にも相談してください。

既存の擁壁で確認する4つの点。ひび割れ・ふくらみ・傾き、水抜き穴の詰まり、上に加える重さや工事、図面・検査の記録
見た目だけで安全とは判断できません。気になる点は施工会社・設計者・市の窓口に相談してください

段差をブロックで支えていないか

道路や隣地との段差を、コンクリートブロックを積んで支えている敷地もあります。神戸市のQ&Aでは、コンクリートブロック塀は土の重さを支えるための耐久性・安全性が十分とはいえないとされています。ブロックで土を止めている場所に手を入れる場合や、新しくブロックで土を止める提案を受けた場合は、どういう構造で土の重さを受けるのかを確認してください。

古いブロック塀を撤去するなら、神戸市の助成を契約前に確認する

外構のやり直しで古いブロック塀を撤去する場合、神戸市の「危険ブロック塀等撤去助成事業」を使えることがあります。2026年度(令和8年度)の案内に書かれている内容は次のとおりです。

項目内容
対象道や公園など不特定多数が通る場所に面した、高さ80cm以上のブロック塀・レンガ塀・石積塀など。安全性のチェックで基準に適合しないもの
補助額塀の長さ1mあたり1万円/撤去費用の3分の2/30万円のうち、最も低い額(千円未満切り捨て)
受付期間2026年4月2日〜2027年3月1日。予算の上限に達した場合は受付終了
実績報告撤去完了後30日以内、または2027年3月15日のいずれか早い日まで
窓口すまいるネット(神戸市すまいの安心支援センター)078-647-9933

一番気をつけたいのは順番です。申請の手引きには、交付決定通知日より前に工事の契約を結ぶと補助が受けられなくなると書かれています。外構業者と契約する前に申請し、交付決定を待ってから契約・着工する流れになるので、撤去を含む外構工事は日程に余裕を持って組んでください。撤去が終わったあとの実績報告にも期限があり、撤去完了後30日以内と2027年3月15日のうち早いほうまでに出す必要があります。秋以降に撤去する場合は、年度末まで待たずに提出してください。

神戸市の危険ブロック塀等撤去助成の流れ。相談・見積もり、交付申請、交付決定、契約・撤去工事、実績報告の順で、交付決定通知日より前の工事契約は補助対象外
交付決定を待ってから契約します。実績報告は、撤去完了後30日以内か2027年3月15日の早いほうまでに出します

補助額は撤去費用をもとに計算されるため、見積もりの段階で撤去費と新しいフェンスなどの設置費を分けて書いてもらうと、申請の相談がしやすくなります。対象になる塀の範囲や撤去後の工事の扱いは、申請前に窓口で確認してください。

神戸の現地調査で聞いておきたい5つの質問

  1. 高低差をどう処理する計画ですか(掘る・盛る・土を止める)。残土の量はどの高さまで掘る前提で計算していて、処分費は見積書のどの項目に入っていますか
  2. 隣地との段差や既存の擁壁に、工事で手を入れますか。入れる場合、状態をどう確認しますか
  3. 作業車はどこに止めますか。ガードマンの手配や道路使用許可が必要な場合、段取りに何日かかり、その費用は見積書のどこに入っていますか
  4. 坂の上から流れてくる雨水や、駐車場の水勾配はどう考えていますか
  5. ブロック塀の撤去助成を使う場合、交付決定を待ってから契約する日程にできますか

答えを見積書や図面に書き残してもらうと、会社ごとの比較もしやすくなります。水勾配の目安と確認方法は駐車場コンクリートの水勾配は何%?で解説しています。

業者選びと見積もり比較は、神戸でも同じ基準で

会社の選び方や見積書の読み方は、地域が変わっても確認することは同じです。次の記事に詳しくまとめています。

契約前の見積書を第三者に相談したい場合は、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの住まいるダイヤル「リフォーム見積チェックサービス」も確認できます。対象となる工事や利用条件は公式案内をご覧ください。

候補の会社を自分で探す時間がない場合は、一括見積もりサービスで複数の会社に現地調査を頼む方法もあります。高低差や残土の見込み方は会社によって違うので、上の5つの質問を同じように聞いて比べてください。サービスごとの違いは外構一括見積もりサイト比較にまとめています。

広告について:以下のリンクから依頼すると、当ブログに広告報酬が発生する場合があります。依頼先は見積内容を確認してご自身で判断してください。

まとめ

  • 神戸の外構費用は、面積だけでなく高低差でも変わる。掘削・残土・土留め・運搬が見積書のどこに入るかを確認する
  • がけ条例(高さ1m超・角度30度超)と、市内全域が対象の盛土規制法がある。敷地の高さを大きく変える計画や擁壁の撤去は、許可や届出の要否を確認する
  • 既存の擁壁は、ひび割れ・水抜き穴・上に重さをかける計画を見て、気になる点は設計者や市にも相談する
  • ブロック塀の撤去助成は、交付決定より前に契約すると受けられない。外構業者と契約する前に申請する。実績報告は、撤去完了後30日以内、または2027年3月15日のいずれか早い日までに提出する
  • 業者選びと見積もり比較は、地域を問わず同じ基準で確認する

確認した情報

2026年9月に確認した内容です。制度の条件は年度ごとに変わることがあるため、申請や工事の前に最新の案内を確認してください。

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この記事を書いた人

株式会社勝真建設工業に所属し、外構・足場工事の現場作業と会社ホームページの運用を担当しています。自身も新築一戸建てを建てた施主として、現場側と施主側の両方の経験をもとに、外構・業者選び・家づくりのお金について発信しています。

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